リトアニア日本領事代理
杉原千畝の決断。
劇団銅鑼公演 No.39
作・演出 平石耕一
この作品は2009年に新作『センポ・スギハァラ2009』として上演し、2010年4月から『センポ・スギハァラ 再び夏へ』と改題した作品です。
1992年より2007年まで上演した『センポ・スギハァラ』と同一の作品ではございませんので、ご了承下さい。
※この物語は実話を元にしたフィクションです。
1939年ナチスドイツはポーランド国境線を越え、戦闘を開始した。第二次世界大戦の勃発。当時のポーランドに住むユダヤ人350万人は行き場を失い、虫けらのように消された。
ポーランドの隣国、リトアニアに逃れることができたのは、350万人のうち、たった1万5千人だった。
1940年夏、リトアニアの首都カウナス郊外。
穏やかな丘の上に突然鳴り響く銃声。
日本領事代理・杉原千畝と妻・幸子、医学生・藤島敬介の三人は、ナチスポーランドの侵攻により祖国を追われ逃れてきたユダヤ人家族と出会う。
翌日、日本領事館は大勢のユダヤ人たちにとり囲まれた。
その中に丘で出会った家族、ヤコブ、ヨセフ、エリエッタ、セガロの姿もあった。
彼らの唯一生き延びる手段は日本領事館で「日本の通過ビザ」を手にし、その効力で第三国へ逃れる道だけであった。領事館の前には多くのユダヤ人たちが日本の通過ビザを待っている。ビザがなければ、ユダヤ人たちは行き場を失い、強制収容所に送られるか抹殺されるかだ。
千畝は、本国にビザ発給の許可を求める。
「発給スルナ」。
千畝は再度問う。
発給してもよい条件はないかと。
1時間50分(休憩なし)